デリケートな目尻にレチノイドを・その有効性としわができる過程を分かりやすく解説
ビタミンAの仲間であるレチノール・レチノイド・トレチノイン、最近ではいろんなコスメに配合されるようになっています。
まだビタミンAがどのようにスキンケアに有効なのかを知らない方もいらっしゃると思いますので、その中でも特に注目したい「目じりのしわケア効果」についてお伝えします。
目尻のしわはどうやってできる?
目じりはお顔の中でも皮膚がデリケートで薄いエリアです。
笑うなどの表情を毎日繰り返すことで、まるで靴の履きしわのようにしわが深く形成されていきます。
新しい革靴には履きしわはありませんが、歩き方の癖などによってしわができ始め、長く履いていればそれなりにしわが深く大きくなってゆくものです。
それがちょうど目じりのしわができるプロセスと似ています。
皮膚で言えば、笑うなどの表情を繰り返し、同じ部位のコラーゲンが度重なって折りたたまれ、「折り畳みジワ」が形成されてゆきます。
厄介なのが、一度この目じりのしわを放置(または有効策にたどり着いていない)すると、しわの深さも範囲もとめどなくひろがりやすいということ。
以下はしわの度合いを表した見本です。グレード0から7まで同じ女性ではないようですが、加齢によっておおよそは0から7までを通ると言っていいです。
出典:資生堂
目じりのでき始めはクリームを分厚く塗ったりして対処する方が多いと思いますが、年々「しわが深くと範囲が広がる」と感じている方も多いはずです。
ケアしているつもりでも満足できる効果が出ないと焦ってしまいますよね。
今月の放送は、そんな方が検討する対処法になるのではないかと思います。
手ごわい目尻のしわにレチノイドを有効活用する理由
レチノイドが目じりのしわをケアするプロセス
さきほど「特に目じりの皮膚はデリケートで薄く、笑うなどの表情を繰り返すことでしわが深く刻まれやすい」とお伝えしました
その目尻のしわをレチノイドでケアするプロセスを簡単にお伝えすると以下の通り。
- レチノイドを継続的に塗り続けると、表皮の角質細胞が猛烈に増え出す
- 薄くなった皮膚にヒアルロン酸などの定着を促して細胞を増やして分厚くする
- しわが目立たなくなる
図は高岡幸二医師によるもの
さて以下が私が2月半試してみたしわケアの実録レポです。
【実録レポ】レチノイドの実力
さてレチノイドのクリーム、最近はいろんな会社から化粧品が出ていますが、資生堂が「9週間で顕著なしわの改善が認められた」と報告しているようなのでご紹介します。
しわのグレードが4とされた方のしわの状態をみてみると、たしかにしわの深さと範囲が改善されています。
出典:資生堂
私自身も夏からテストをしているのですが、それほど大きな期待はしていなかったものの「想像以上」にしわの深さと範囲がケアできているように思います。
劣化しやすく、時間がたつと逆に肌を荒らす可能性もある取り扱い注意の成分ではありますし、価格も高額な部類※に入るのは確かではありますが、それでも試す価値はありました。※資生堂で20g1万円弱など
レチノイドはビタミンAの仲間であり、ありふれているようで実はとても不安定な成分
レチノール・レチノイド・トレチノインは別な成分ではあるものの総称してレチノイドと呼ばれることが多く、実はとても不安定な成分、酸化して肌を荒らすこともあるやや取り扱い注意の成分です。使用期限を守って活用ください。
来月はレチノイドのシミへの効果についてお伝えします。
出典の詳細:有効成分レチノールによるしわを改善する効能効果の承認を日本で初めて取得―9週間で「深い」しわを改善―
参考:皮膚のrejuvenation:レチノイドの作用機序 吉村浩太郎 (2003年12月;皮膚科診療プラクティス)